保育士資格取得前に知っておきたい保育サービス

保育所と幼稚園

(1) 幼保一元化

 

子どもの通う年齢など、共通している部分が多い「保育園」と「幼稚園」ですが、
その違いは何なのでしょうか?

 

保育所は厚生労働省の管轄で、幼稚園は文部科学省の管轄となっています。

 

そして、一般的に保育所は保育に欠ける子どもを預かる場所、
幼稚園は子どもの教育をする施設というイメージがあります。

 

戦後、保育園と幼稚園は、それぞれ別の目的や機能をもって、
制度化されてきました。

 

しかし、「幼保一元化」という言葉が登場し、
保育園と幼稚園の二つの施設がそれぞれ利用する子どもや親にとって
有効な形で一元化されることを望むニーズが高くなってきました。

 

そこで、近年は、保育園と幼稚園を一元化させようとする試みが
幾度となくされています。

 

しかし、幼保一元化には、さまざまな問題が伴います。

 

たとえば、保育所における教育レベルの向上、
幼稚園の保育時間延長の問題、
市町村や保護者の経費負担の問題、
保育所保育士の資格と幼稚園教諭の資格の違いの問題、
保育所保育士と幼稚園教諭の労働条件に関する問題などが挙げられます。

 

そもそも幼稚園は学校教育施設であり、保育所は児童福祉施設と言う点でも異なり、
目的や機能が違うため、簡単に一元化ができるようなものではありません。

 

(2) 幼稚園と保育所の施設の共用化等に関する指針と幼稚園と保育所の施設の共用化等に関する指針

 

1998年、文部省と厚生省の連盟局調通知として
「幼稚園と保育所の施設の共用化等に関する指針」が出されました。

 

この「幼稚園と保育所の施設の共用化等に関する指針」の目的は、以下のようになっています。

 

・多様なニーズに的確に対応できるよう、
幼稚園と保育所の施設・運営の共用化・職員の兼務などについて
地域の実情に応じて弾力的な運用を図ること。

 

・幼稚教育環境の質的な向上を推進し、共用化された施設について
保育の内容等運営が工夫され、有効利用が図られること。

 

また、「幼稚園と保育所の施設の共用化等に関する指針」が出された同年、
1998年に、「子どもと家庭を支援するための文部省・厚生省共同行動計画」
が出されています。

 

この「子どもと家庭を支援するための文部省・厚生省共同行動計画」の内容は、
以下のようになっています。

 

・教育内容、保育内容の整合性の確保

 

・幼稚園教諭と保育士の研修の合同開催

 

・幼稚園と保育所の子育て支援に係る事業の連携実施

 

(3) 就学前の教育・保育を一体として捉えた一貫した総合施設

 

2004年、「就学前の教育・保育を一体として捉えた一貫した総合施設」のあり方が、
中央教育審議会幼稚教育部会と、
社会保障審議会児童部会の合同の検討会議において審議され、
その審議内容のまとめが発表されました。

 

就学前の教育・保育を一体として捉えた一貫した総合施設についての
検討会議の審議によると、この総合施設の機能の基本は、以下のようになっています。

 

・親の就労の有無・形態等で区別することなく
就学前の子どもに適切な幼児教育・保育の機会を提供し、
その時期にふさわしい成長を促す機能を整えること。

 

そして、この機能の基本に加え、「地域の実情等に応じて、
住宅を含め地域の子育て家庭に対し、子育てに関する必要な相談・助言・支援を行うと共に、
これらの地域の親子が誰でも交流できる場を提供することが重要である。」
としています。

 

さらに、保育園と幼稚園の関係についても、
「地域の幼児教育・保育のニーズに対して、
既存の幼稚園・保育所の機能の拡充、組合せ・連携の強化等により対応するのか(略)
さらに新たな枠組みである総合施設を組み合わせて対応していくかは、
地域の実情に応じて判断されるべきもの。」
としています。

 

そして、総合施設の制度化は、既存の保育所や幼稚園及び各種の子育て支援事業の意義、
役割を大切にしながら、これら既存の施設・事業と新たな枠組みである総合施設がそれぞれ相まって、
乳幼児期の子どもの健やかな成長を支える役割を担うもの」であるとしています。

 

(4) 認定子ども園

 

保育園と幼稚園の連携や統合には、さまざまな問題点があり、
連携・統合はなかなか進まない現状がありました。

 

このように、長年の懸案事項となっていた保育園と幼稚園の連携や統合に関して
具体的にスタートしたのは、2006年の、
「就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律」
が施行された後です。

 

「就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律」の施行により、
「認定こども園」という形で、保育園と幼稚園の連携・統合が、ようやく具体的なものになりました。

 

認定こども園の目的には、以下のようなものがあります。

 

 ・都市部を中心に存在する保育所待機児童を定員割れが進む幼稚園で受け入れ可能にする。

 

 ・保育所にも専業主婦家庭の子どもが通所できるようにする。

 

 ・保護者の就労の有無による利用制限をなくす。

 

 ・0〜2歳児を育てる母親への子育て支援を促進する。

 

そして、認定こども園のタイプは、以下の4つのタイプがありますが、
認定子ども園の利用は、利用者と施設の直接契約によるものとなっています。

 

 1 幼保連携型

 

   認可保育所と認可幼稚園が連携し、一体的な運営を行うことにより、
  認定こども園としての機能を果たす。

 

 2 幼稚園型

 

   認可幼稚園が保育に欠ける子どものための保育時間を確保する。

 

 3 保育所型

 

   認可保育所が保育に欠ける子ども以外の子どもも受けれるなど、
  幼稚園的な機能を備えて対応する。

 

 4 地方裁量型

 

   幼稚園・保育所のいずれの認可もない地域の保育施設等が、
  認定子ども園として必要な機能を果たす。